2月19日は、松山の俳人・正岡子規の忌日「獺祭忌(だっさいき)」。
この名は、子規の俳号「獺祭書屋主人」や著書『獺祭書屋俳話』に由来しています。
「獺祭」とは、カワウソ(獺)が獲った魚をすぐに食べず、まるで供え物のように岸辺に並べる習性に由来する言葉です。
この光景が、古代中国の書物『礼記月令』に記され、日本の七十二候でも雨水の初候に「獺祭魚(たつ うおを まつる)」として使われていたそうです。
後に、日本の気候に合わせた「本朝七十二候」では「土脉潤い起こる」と改められましたが、かつてはカワウソの行動が春の訪れを知らせるものとされていたのです。
「獺祭」は転じて、多くの本を広げながら詩文を考える様子を指すようになり、正岡子規も自らを「獺祭書屋主人」と称しました。
松山の俳人正岡子規の功績に思いを馳せるとともに、言葉の持つ奥深さを改めて感じてみるのもよいかもしれません。