第2回:樹木の撤去作業の進め方と注意点
(【シリーズ】庭の解体・造成に伴う撤去工事のポイント)
前回は、庭の解体・造成工事の全体像についてご紹介しました。今回はその中でも、多くのお庭で最初に行う作業となる「樹木の撤去」について詳しく解説します🌳✂️
🌲 伐採と抜根の違いとは?
樹木の撤去には、大きく分けて**伐採(ばっさい)と抜根(ばっこん)**の2つの方法があります。
- 伐採:地面より上の幹や枝を切り落とす作業。見た目はすっきりしますが、根は残ったままです。
- 抜根:伐採後に根ごと掘り起こして完全に撤去する作業。造成や整地にはこちらが必須です。
🏡たとえば、庭を駐車場や人工芝に変える場合は「抜根」が必要ですが、景観を一部残したいだけなら「伐採」だけで済むこともあります。
🛠 重機の使用と安全対策
抜根には**ショベルカー(ユンボ)**などの重機が必要になることが多くあります。特に大きな樹木は、手作業での撤去が難しく、地中に深く張った根を切断・掘り起こすには機械力が不可欠です。
重機作業のポイント
- 作業スペースの確保(車両が通れるか)
- 根の張り具合に応じたアタッチメントの選定
- 周囲の建物や塀、配管への影響を考慮
- 作業音や振動への近隣配慮
※特に、電線やガス管、雨水マスの位置確認は事前にしっかり行う必要があります⚠️
🌱 根の処理と土壌の養生
抜根後の根穴や土壌の空洞をそのままにしておくと、後の地盤沈下や水たまりの原因になります。
処理の流れ:
- 大きな根をできる限り除去
- 残った細かい根も掘り返しながら処理
- 掘り起こした穴に良質な土や砕石を戻す
- 転圧して地盤をしっかり固める
🌧️水はけの悪い土壌だった場合には、排水層の設置や暗渠(あんきょ)パイプの埋設なども併せて検討すると良いでしょう。
📝 注意点とよくあるご質問
- Q:すべての根を完全に除去できますか?
👉 一部の根が深く伸びている場合、残ることもありますが、建物や舗装に影響しない深さであれば問題ありません。 - Q:木を伐採すると再び芽吹くことはありますか?
👉 はい、一部樹種では、切り株から再生することがあります。薬剤処理や抜根がおすすめです。 - Q:作業後すぐに施工に移れますか?
👉 抜根直後は土がゆるんでいるため、転圧や養生期間を置いてから次の工事に進むのが安全です。
🌿 まとめ
庭の樹木を撤去する作業は、一見簡単そうに見えても、地中の根の処理や土壌の状態など、専門的な配慮が求められる場面が多くあります。
- 伐採と抜根の違いを理解する
- 重機使用時の安全確保と周辺環境への配慮
- 土壌の整備と養生をしっかり行う
これらの点を押さえて、庭づくりの第一歩を安全かつ確実に進めていきましょう😊
次回は、第3回「庭石・飛び石の撤去ポイントと注意点」をお届けします。
石材の扱いや再利用のアイデアなどもご紹介しますので、お楽しみに!