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🌼 今日のはな:テッポウユリ(鉄砲百合)

🌼 今日のはな:テッポウユリ(鉄砲百合)

— 夏空にすっと伸びる、白く気高き花 —


■ 凛と咲く、夏の使者

梅雨が明け、真夏の入り口にさしかかる頃。
まっすぐに伸びた茎の先に、**純白の花をすっと開かせる「テッポウユリ」**が姿を見せます。

名前の由来は、ラッパ状に咲く花の形が“鉄砲の筒”に似ていることから。
長さ15〜20cmにもなる白い花には、ほんのりと甘い香りがあり、清らかで気品ある佇まいが人々の目を引きます。


■ 小暑から立秋へ──夏の風物詩として

テッポウユリの見頃は7月中旬から8月上旬
ちょうど二十四節気の「小暑」から「立秋」へと向かう頃で、夏の本番を告げるように咲き始めます

この時期は七夕、蝉の声、入道雲、そしてお盆前の静けさなど、季節の移り変わりが凝縮された時期。
そんな中、ひときわ静かに、そして堂々と咲くテッポウユリには、夏の始まりと終わりをつなぐ橋渡しのような美しさがあります。


■ 育てやすく、生命力に満ちた草花

  • 分類:多年草(球根植物)
  • 草丈:60cm〜1m前後
  • 好む環境:日当たり良好で風通しの良い場所、やや乾いた土壌
  • 耐寒性・耐暑性:ともに強め。管理しやすい

テッポウユリは、球根を植えてから1〜2年で開花することが多く、自然の中でもこぼれ種から増えることがあります。
花が終わったら早めに花茎を切り、葉は残して球根を太らせましょう。

3〜4年に一度の掘り上げ・分球で株の更新もできます。


■ 松山・愛媛の夏に咲く姿

愛媛県内でも、テッポウユリは比較的身近な存在です。
松山市内では、沿道や空き地、墓地、公園の縁などに自然実生で咲く姿も多く見られます。

最近は園芸品種としてスカシユリとの交配種(オリエンタルリリー)も流通していますが、
やはり、ひときわ白く、楚々と咲くテッポウユリの姿にこそ原風景のような懐かしさを感じます。


■ 結びに:庭に白い花が咲く季節

テッポウユリは、派手さこそありませんが、見る人の心を静かに整える花です。
夏の空にすっと伸びる白い姿を見ていると、自然と気持ちもまっすぐになるような気がします。

強い陽射しと暑さの中で、庭や道端でこの花を見つけたら、
ぜひその足を少しだけ止めて、涼やかな香りとともに、夏の移ろいを感じてみてください。

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