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🌿 竹垣の種類シリーズ(全7回)②


🎋第2回:代表的な竹垣① — 建仁寺垣・四ツ目垣・御簾垣

― 形の違いがつくる“庭の雰囲気” ―


日本庭園や茶庭、料亭の中庭などで見かける竹垣。
前回はその素材や構造、役割について解説しましたが、今回は特に**「伝統的な代表例」**としてよく使われる3種類をご紹介します。

それぞれの竹垣には、構造や用途に個性があり、
庭の雰囲気や空間演出にも大きく関わってきます。


🟩 建仁寺垣(けんにんじがき)

— 見せながら仕切る、格式と軽やかさの同居 —

建仁寺垣は、京都・建仁寺に由来する格式ある竹垣で、縦割り竹を隙間なく敷き詰めることで高い目隠し効果を発揮する点が特徴です。

  • 🔹 構造:縦割り竹を隙間なく敷き詰める
  • 🔹 特徴:割竹を隙間なく並べることで、外からの視線を遮るのに適しています
  • 🔹 用途:、庭の仕切りや装飾など、幅広い用途に用いられます

建仁寺垣は、その美しい見た目と機能性から、和風庭園によく用いられる人気の竹垣です


🟨 四ツ目垣(よつめがき)

— 素朴で親しみやすい、軽やかな間仕切り —

四ツ目垣は、竹を水平に渡す4段の胴縁と、立子が垂直に交わり、上下の模様が四つ目に見えることが名称の由来で、見た目が柔らかく、圧迫感がありません。

  • 🔹 構造:背後が透けて見える軽やかで開放的なデザイン
  • 🔹 特徴:日光や通風を妨げないのが特徴です
  • 🔹 用途:庭の区切り・草花の背景・植栽と合わせたデザインフェンスなど、幅広い用途で使われます

最も手軽で効果的な竹垣の一つで自然な風合いを大切にした下草中心の庭や庵風の庭などにぴったりです。


🟫 御簾垣(みすがき)

— 目隠し重視。落ち着いた和の仕切り ―

御簾垣は、細い竹を横に隙間なく並べ視線を遮る構造を持つ、プライバシー性の高い竹垣です。
名前の通り、御簾(みす=薄い布のすだれ)のように、外からの視線をやわらかく遮る効果があります。

  • 🔹 構造:細い竹を横に隙間なく並べ、縦の押さえ縁で固定するのが特徴
  • 🔹 特徴:細かい竹を使用しているため、風通しが良く、光をやわらかく通します
  • 🔹 用途:高級感のある目隠しや視線遮断、プライバシー保護、風除けなど

歴史ある日本庭園よりも住宅地でよく目にすることから、最近でもよく作られる人気の竹垣のひとつ
現代では樹脂製の御簾垣も増えており、耐久性と意匠性を両立できる選択肢も広がっています。


✍️ まとめ

伝統的な竹垣には、実用性と美意識の両方が込められています。
そして、竹という自然素材だからこそ感じられる軽やかさ、静けさ、季節の移ろい

次回(第3回)では、
▶ **格式ある竹垣として有名な「龍安寺垣」「金閣寺垣」「桂垣」**を取り上げ、
より意匠性の高い竹垣の魅力に迫ります。

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