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🌿 竹垣の種類シリーズ(全7回)⑦


🎋第7回:現代の庭に合う竹垣デザイン

― 和と洋をつなぐ美意識と、竹の新しいかたち ―


「和風の庭にしか合わないのでは?」と思われがちな竹垣。
しかし近年では、ミニマルな住宅外構やモダンな店舗景観にも自然と溶け込む素材として、竹垣は再評価されています。

本記事では、現代的なデザインにマッチする竹垣の取り入れ方、素材の選び方、小規模な施工・DIY事例まで、今の暮らしに寄り添う竹垣の使い方をご紹介します。


🏡 住宅外構や店舗景観での竹垣活用

近年の戸建住宅や商業施設では、「シンプルで上質な空間演出」が重視される傾向にあります。

そんな中で竹垣は…

  • 自然素材でナチュラルな印象を与え
  • 坪庭や玄関前のポイント演出に最適
  • 無機質になりがちなファサードに柔らかさと陰影を加える

といった理由から、和洋問わず幅広い空間で採用されています。

例)住宅外構

  • 四ツ目垣をスリムにアレンジ → 植栽スペースの背景に
  • 桂垣を樹脂素材で再現 → 隣家との目隠し兼用フェンスとして
  • 龍安寺垣の菱形意匠を応用 → デザインウォールとして設置

例)商業施設・店舗

  • 料亭や和カフェの店頭に桂垣風のシェード
  • エステサロンの通路脇に透け感ある建仁寺垣
  • ホテルのエントランスに現代的な「和モダン」袖垣

植栽・石・照明と組み合わせることで、竹垣の存在感が際立ちます。


🪵 ミニマル・モダンな庭との融合

和風や純日本庭園だけでなく、直線的でシンプルな現代的デザインにも竹垣はなじみます。

デザインの工夫としては:

  • 高さを抑え、目線の抜けを意識する
  • 左右対称ではなく、ずらし配置でリズム感を
  • 竹の本数を減らして「抜け感・間」をつくる
  • 石材やコンクリートとも馴染ませる構成

「和の余白」と「洋の直線美」をつなぐ自然素材としてのポジションが、現代の庭において注目されています。


🛠️ 樹脂竹・スチール+竹などのハイブリッド素材

現代施工では、見た目は竹そのままに、メンテナンス性を高めた素材も活躍しています。

◎ 樹脂竹(人工竹)

  • 耐久性・耐候性に優れる
  • 節の質感や色味も精巧に再現
  • メンテナンスがほぼ不要

▶ 自然風の垣に見せながら、メンテナンスのいらない長期使用に向く

◎ スチール+竹のハイブリッド構造

  • フレームをスチールやアルミで組み、竹を意匠部に使用
  • 強度がありながら軽量
  • 転倒リスクの低減や施工の自由度アップ

▶ 商業施設の仮設垣や、モダンなアプローチ空間にも最適

これらはDIYや省施工でも取り入れやすく、**従来の職人技だけに頼らない「新しい竹垣文化」**の形成に寄与しています。


🔨 小規模施工・DIYに応用可能なスタイル例

竹垣は決して大掛かりな構造物だけではありません。
庭のワンポイントや、プライベートスペースづくりに最適な簡易型竹垣も人気です。

◎ DIYでも挑戦しやすい例:

  • 丸竹を数本束ねた簡易建仁寺垣風フェンス
  • ホームセンター素材で作る四ツ目垣調の仕切り
  • 目隠しフェンスの前に設置する装飾的な竹スクリーン
  • プランターやライトと組み合わせたポータブル垣

材料セットや簡易フレームも市販されており、日曜大工レベルでも手軽に設置可能です。


✍️ まとめ:竹垣は「古い」ではなく「新しい」

伝統の象徴でありながら、竹垣は今、新しい価値を持ちはじめています。

  • 空間に「柔らかさ」と「抜け」を加える
  • 自然素材と人工素材の融合で長持ちさせる
  • 和洋問わず現代の住まいや店舗にフィットする
  • DIYや省スペースにも応用できる手軽さ

竹垣は、「和風を表現する道具」ではなく、空間を調和させる“素材”へと進化しているのです。


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