本芳我家住宅
🏡 歴史が息づく庭園と建築のハーモニー
愛媛県喜多郡内子町の「八日市護国」町並み保存地区に佇む本芳我家住宅は、明治22年（1889年）に建築された豪商の邸宅であり、国の重要文化財に指定されています。
木蝋産業で栄えた内子町の中でもとりわけ格式あるこの屋敷は、入口の門をくぐると石畳のアプローチ、塀と蔵、そして控えめながら趣ある庭園へと続きます。
庭園は公開されており、建物内部は非公開ながらもその佇まいと景観を静かに楽しむことができます。
🌿 庭園の見どころと造園的視点
- 石積みと塀の構成：敷地をぐるりと囲む塀の下部には石積みが用いられ、重厚ながらも町並みに溶け込む配慮がされています。
- 植栽の配置：門を入ってしばらくは控えめな植栽で構成され、邸宅の格を引き立てる静かな庭路が設けられています。背景には大きな樹木も見え、建築と緑が一体となった“佇まいの庭”となっています。
- 建築からの眺めを意識した設計：主屋の窓や縁側から見える庭景が意図されており、屋内から庭への視線移動が計算されている印象です。建物を囲むようにして庭が配され、住まい全体が「景観を楽しむ場」として作られているのが特徴です。
✨ 四季の風情と訪問のヒント
- 春には樹木の芽吹きと蔵の白壁が清々しく映え、石畳や塀の陰影が鮮やかになります。
- 秋には紅葉が建築の漆喰壁や瓦屋根とコントラストを成し、撮影にもおすすめの季節です。
- 建築の外観と町並み保存地区の雰囲気を楽しむなら、午前の明るさが柔らかいうちの訪問が特におすすめです。
📍 基本情報
- 所在地：愛媛県喜多郡内子町内子2888
- 見学時間：9:00〜16:30 ※邸宅内部非公開、庭園・外観のみ見学可
- 特徴：漆喰彫刻（鶴・亀・波紋）、柱・梁材の質、町並みの中の存在感
本芳我家住宅の庭園と建築は、時代の記憶と造園・建築の美が静かに交わる空間です。
町並みの散策ついでに、ぜひその佇まいに足を止めてみてください。
