🌱 七十二候「乃東生(なつかれくさ しょうず)」— ウツボグサが新しい緑の芽を出す
冬至を過ぎたばかりの冷たい空気の中、
季節は少しずつ 「新しい命の準備」 を始めています。
七十二候では、この時期を 「乃東生(なつかれくさ しょうず)」 と呼び、
枯れた草が再び芽を伸ばしはじめる頃を表しています。
乃東(なつかれくさ)とは 夏枯草(かごそう/ウツボグサ) のこと。
夏に枯れたように見えた草が、
冬のこの時期にいち早く芽を出し、
春への静かなスタートを切る——そんな自然のリズムを教えてくれる候です。
🌿 冬に芽吹くという不思議
寒さのただ中で芽が動き出すのは、
自然が「春の準備」を着実に進めている証。
- 地中の温度変化
- 日照時間のわずかな延び
- 冬至を境に高まる太陽の力
こうした小さな変化に反応して、
植物はひっそりと芽を膨らませていきます。
冬は一見、すべてが眠る季節に思えますが、
実は“春を迎えるための大切なプロセス”が始まっている時期でもあります。
🌱 造園の視点から見た「乃東生」
この候は、庭の中でも
“生命の息吹”が確かにあることを気づかせてくれる瞬間です。
- 冬芽がぷっくり膨らむ
- 常緑樹が光沢を増す
- 土の香りがわずかに変わる
- 厳しい寒さの中でも多年草が動き始める
剪定・土づくり・根回しなど、冬ならではの庭の作業が
春の成長を大きく左右する理由もここにあります。
寒い時期にしっかり準備をすることで、
春の芽吹きがより力強いものになります🌸
💬 季節のひとこと
乃東生は、
“冬の奥にある希望”を感じさせてくれる候。
庭の片隅にひっそりと伸びる芽を見つけると、
厳しい季節の中にも確かに前へ進む力があることを教えてくれます。
年末の慌ただしさの中でも、
ふと足元の小さな芽に気づけたら、
きっと冬の景色が少し違って見えてくるはずです❄️🌱

