🕊️ 七十二候「鴻雁来(こうがんきたる)」― 渡り鳥が知らせる季節の変わり目
🍁 鴻雁来とは
二十四節気「寒露(かんろ)」の初候にあたる「鴻雁来(こうがんきたる)」は、雁(がん)や鴨などの渡り鳥が北から日本へ飛来する頃を意味します。
空気が澄み、空が高く見えるこの時期、朝晩の冷え込みが進み、秋がいよいよ深まっていく節目です。
古くから日本人は、空を渡る雁の列を見て季節の訪れを感じ取ってきました。
🌾 自然と庭の変化
鴻雁来の頃、野山や庭は一気に秋の装いに変わります。
ススキやワレモコウ、リンドウ、キンモクセイなどの秋草が見ごろを迎え、庭木の葉先には少しずつ紅が差し始めます。
風は乾き、虫の声も静まり、朝露が葉を冷たく濡らす頃――自然がゆっくりと「冬支度」を始めるのが感じられます。
🏡 愛媛・松山の風景
愛媛県松山市でも、鴻雁来の時期になると朝の空気が一段と冷たく、田畑の稲刈りも終盤を迎えます。
市内や郊外の池や川辺では、実際に鴨や雁などの渡り鳥を見かけることも。
庭ではこの時期、剪定、施肥の準備を始めるのにちょうど良いタイミングです。
季節とともに植物の活動もゆるやかになり、庭全体が静かな休息のモードに入っていきます。
💬 季節のひとこと
空を見上げて、雁の群れがゆっくりと列をなして飛ぶ姿に出会うと、心がふと穏やかになります。
「鴻雁来」は、自然のリズムとともに暮らす大切さを思い出させてくれる節気です。
秋の深まりとともに、庭や空の変化に目を向けてみると、日常の中にも静かな“季節の詩”が見えてきます🍂🕊️