🍁 秋祭りと植物 ― 季節を彩る“緑と香り”の力

10月に入り、愛媛・松山から秋祭りの太鼓や掛け声が聞こえる季節になりました。
稲の収穫を終え、実りへの感謝を込めて行われる秋祭りは、地域の人々にとって一年の節目。
金木犀の香りが漂い、稲穂が頭を垂れるこの時期――自然と人とのつながりを最も感じられる行事です。

神事の飾りやしめ縄に添えられるススキは、稲穂の代わりとして“豊穣の象徴”とされています。
境内の飾りや屋台の周囲に揺れるススキの穂は、秋風にそよぎながら神聖な雰囲気を漂わせます。

秋祭りの香りといえばこの花。街角や神社の境内で甘い香りを放ち、祭りの季節を告げます。
子どもの頃、金木犀の香りと太鼓の音が重なる光景を覚えている方も多いのではないでしょうか。

秋の神前供物には、愛媛の代表でもあるミカンやカキが並びます。
これらの果実は「実りと繁栄」を象徴し、地域の恵みを神に感謝するための大切な植物です。

祭りの頃、少しずつ紅葉が進み、参道や庭木も彩りを増していきます。
光を受けて輝く葉の色は、秋祭りの賑わいとともに季節の美を演出します。

庭の植栽にも、季節や祈りの心が宿ります。
金木犀や柿の木、ススキなど、秋を象徴する植物を植えることで、家の中にいても祭りの空気を感じることができます。
また、庭先に灯籠を灯し、秋風にそよぐ草花を眺めると、どこか懐かしい日本の秋の情景が広がります。

秋祭りは、人と自然、そして植物とのつながりを再確認する季節。
香り、色、実り――そのすべてが、五感で季節を感じる大切なきっかけになります。
庭に咲く花や木々にも、祭りと同じように「感謝」と「めぐり」の心を感じてみてください🌾🍊✨

🌺 今日の花：ダリア（天竺牡丹）

🌸 今日の花：フジバカマ（藤袴）