🦗 七十二候「蟋蟀在戸(きりぎりす とにあり)」
― 秋の虫の声が、家のそばに響く頃 ―
🍁 季節のうつろい
「蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)」とは、秋の終わりを告げる七十二候。
草むらで鳴いていたコオロギやキリギリスが、冷え込みとともに家の近くへ寄ってくる頃を指します。
夜風に混じって聞こえる虫の音は、どこか寂しくも心を落ち着かせる“秋の調べ”。
古くから日本人はこの虫の声を「聴く」文化として愛してきました。
🌾 庭に感じる秋の静けさ
この頃になると、庭ではススキやワレモコウが風に揺れ、キンモクセイの香りもやわらぎます。
柿やザクロの実が色づき、足元には落ち葉が舞い始める季節。
虫たちが戸口に寄ってくるように、自然も冬支度を始めています。
庭づくりの上でも、この時期は「静けさ」を楽しむ季節。
派手な花が少なくなる分、葉の色・光と影・音の余韻が主役となり、五感で季節を味わう時間が増えます。
🏡 愛媛・松山の秋風景
松山では、朝夕の冷え込みが進み、虫の声がいっそう澄んで響く頃。
道後や砥部町の里山では、紅葉が少しずつ色づき始め、秋の風がやわらかく吹き抜けます。
庭先で聞こえるコオロギの音や、夜空に輝く月――そのひとつひとつが、秋の深まりを告げる小さな風景です。
💬 季節のひとこと
「蟋蟀在戸」は、にぎやかな夏が過ぎ、自然が静けさを取り戻す時期。
虫の声に耳を澄ませると、どこか懐かしく、ゆるやかな時間が流れていきます。
忙しい日常の中でも、少しだけ窓を開けて夜の音を感じてみてください。
そこには確かに、季節の息づかいが聞こえてくるはずです🍂🦗

