🌾 二十四節気・七十二候「乃東枯(なつかれくさ かるる)」
6月中旬、梅雨のさなかに訪れる七十二候のひとつ
「乃東枯(なつかれくさ かるる)」。
これは、夏のはじめに**「乃東(なつかれくさ)」と呼ばれる草が枯れ始める頃**を意味します。
🌿「乃東」とは?
「乃東(だいとう/なつかれくさ)」とは、現在の「ウツボグサ(靫草)」のこと。
紫色の花を初夏に咲かせる多年草で、古くから生薬やお茶としても親しまれてきました🍵。
ウツボグサは初夏に咲き、花が終わるとすぐに黒く枯れてしまう特徴があります。
この独特の「枯れゆく美しさ」を、日本人は古くから季節の移ろいとして感じ取り、暦に取り入れてきたのです。
☔ 梅雨の中で感じる“枯れ”の美
多くの植物が青々と茂り、花を咲かせるこの時期。
そんな中、「ウツボグサ」が花を終えて静かに枯れゆく姿には、命のリズムと儚さを感じます。
私たちの暮らしの中でも、
- 物事の終わりに気づく
- 移りゆく季節を慈しむ
- 美しさの中に“去り際”を見出す
そんな日本人ならではの感性が、乃東枯という言葉に込められているのかもしれません。
🌱 植物から学ぶ“整える”ということ
庭仕事でも、咲き終わった草花や、勢いを増す雑草の処理が本格化する時期です。
「枯れ」や「終わり」をきちんと見届けて、次の美しさを育てる準備をする——
それもまた、この時期の大切な庭仕事です。
- 枯れた花を取り除いて株をリフレッシュ
- 湿気による病害虫を予防する剪定
- 次の季節に向けた植え替えや土の改良
乃東枯の頃こそ、「整える」ことの意味を考えたい季節です🧹🌿
📝 まとめ
「乃東枯(なつかれくさ かるる)」は、初夏の終わりを静かに告げるサイン。
ただ花が咲く季節ではなく、「終わり」にも目を向けることで、庭にも心にも、より豊かな季節のリズムが生まれます。
梅雨空の下、しっとりと枯れゆく草に目を留めながら、
今日も丁寧に、植物と向き合ってみてはいかがでしょうか?🌧️🌸